R君のこと(15歳 支援学校高等部1年生)

木

R君との最初の出会い

腹筋が弱く、常に猫背の状態

立っていても足首の関節がかなり硬く、

歩行時もかかとがつくことができない。

股関節も硬く長座をして座るということが

できない状態。

腰を落として座ることも難しかった。

常に周りが気になり、落ち着かない様子。

 

<取り組み初日>

取り組み前に立っている状態で、腹筋で立っている

時のからだの様子を確認する。

かかとを上げ歩行時に、腹筋を使って歩くことを

確認しながら何度か繰り返す。

そのうちに腹筋に力を入れて立って歩くことを

体感し始める。

動きをしながら、いつもお腹の様子を確かめながら行う。

体幹部への力の入り具合を確認しながらクマ・サル・カエル

3つの運動を行う。

そのうちに、徐々に落ち着きを見せ始め、キョロキョロが少なくなり始める。

呼吸の仕方をレクチャー。 その時に「イライラしたり、ソワソワしたりしそうになったら、

大きく息を吸って、ろうそくの灯が消えないように静かにゆっくりと息を吐き出していく

呼吸をしてみようね。」 と伝える。 しばらく続ける。

その後、床に寝てゆったりするポーズをとり、胸とおへそのマッサージをすると、

ぐっと落ち着いた様子。

その間、じっと指導者に身を任せてゆったりとすることができた。

最後に立ち上がって確認すると、背中がまっすぐに伸びて、

そのままの状態をキープしながら帰ることができた。

 

<その後の取り組み>

毎回、取り組みを前に姿勢の確認を行ってから運動を始める。

3回目にして、腹筋に力を入れて立つことができるようになってきた。

そのために、周りからは 「背が急に伸びたね」 と言われるように。

また、呼吸を意識するようになっていて、呼吸によって自分の心の

コントロールをすることが容易にってきた。

イライラしたり、欲しいものがあって我慢できにくそうな時に呼吸で

自分の心の状態をコントロールできるようになって衝動的な行動が

徐々に少なくなってきている。

 

<3回目以降>

片足バランス、サルをホームワークとしてやってもらうようにしている。

お家での取り組みが一人でもできるようになり、

レッスンで指導者に見てもらうことを楽しみにしながら取り組んでいると

お家の方から報告があった。

 

毎回、レッスンを楽しみにしながら通ってきていて体感することで、

からだの使い方がわかり、できる運動が増えつつある。

できる運動が増えると、ホームワークもしっかりと取り組み、

できる自分に対して自信を持てることが増えてきている様子。

お母さんとの衝突も減り始めている。

 

からだが変われば、心も変わり始める。

そういうことを感じさせるR君の取り組み。

これからますます楽しみです。

 

中学校保健体育教論、特別支援学校教論

ジャングルフィット講師  南江 千代

 

 

Be the first to comment on "R君のこと(15歳 支援学校高等部1年生)"

Leave a comment

Your email address will not be published.

*



日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)