発達障害児へのジャングルフィットを取り組んだ効果について。

ホップ

京都で活躍していただいている南江先生は

25年間の中学校保健体育教論・特別支援学校教論を経て

現在でも発達障害のある子ども達に対して積極的に活動されています。

その子ども達にジャングルフィットのプログラムを取り組んだことによる効果を

少し紹介させていただきます。

 

①ダウン氏症候群 女子 小学6年生

取り組みを始めて1年6ヵ月

(所見)

体幹部が極度に弱い

股関節は柔らかいが、足首関節は硬い

低緊張があるため、姿勢の保持ができにくい、長座姿勢を保ちにくい、

姿勢が崩れやすい、あごが上がる為に口呼吸、内股歩き、

高低差のあるところ、後ろ向きの移動は極端に怖がる、

股関節が開きすぎるので、常に外側に足が開いてしまう、

肩回り、上肢の支持が弱いために顎や口周りに緊張が保てない、

そのためにことばがはっきりしにくい、

(取り組み方)

個別の取り組みにより、ゆっくりじっくりと取り組む。

グループの時は、楽しむことに重点を置き、他の子どもたちとうまく交流でき

るようにはたらきかけながら行う。疎外感や気後れ感を持たせないように気をつける。

(取り組みを始めてからの効果)

・手や肩支持により、顎回りが鍛えられ、はっきりとした発音ができるようになって

きている。 柔らかいものを食べることが多かったが、咀嚼が良くなってきて硬い

ものや繊維のあるものも食べられるようになってきている。 咀嚼が良くなって

きていることも集中して取り組むことができるようになるきっかけともなっている。

・腹筋が弱く、ぐにゃぐにゃとした印象だったが、こちらが指定した一定の時間は

姿勢を保つことができるようになってきた。 このことにより、集中力が出てきて、

主活動となる机上課題などの取り組み時間が増えてきた。

・2014年5月からの取り組みにより、知的レベルが5歳から7歳に向上した。

逆さ感覚を体感したことや後ろ向き移動に取り込むことで怖いという体感覚が

和らぎ、そのことにより経験できることが増えたということもあると考えられる。

・常に背中が丸い印象があったが、骨盤が立ち始め、腹筋を使って立つことが

できるようになってきている。

 

②自閉症スペクトラム 男子 小学2年生

取り組みを始めて1年6ヵ月

(所見)

関節が硬い、できないことに対する劣等感が強い、

手指の操作がしにくいために、すぐにいらいらする、

集中力が持続しにくい、姿勢の保持ができにくい、長座姿勢が保てない、

姿勢が崩れやすい、外側に流れた歩き方、あごが上がるので口呼吸。

(取り組み方)

個別で取り組みはじめ、本人の自信がついたところでグループに入れる。

グループに入れた時に、劣等感を持たせないように順番ややる気がでるような

声掛けの工夫をする。

(取り組みを始めてからの効果)

・足首関節や股関節が柔らかくなってきたので、じっくりと腰を据えて座っている

ことができ、授業中立ち歩いたり、集中できずにモジモジやソワソワとしたりするような

様子が見られなくなった(担任教論から)

・指の分化が見られ、手指の操作ができることで紐結びが可能になった。

最近は蝶結びもできるようになってきた。 それとともに筆圧が出てきて、

しっかりとした文字をかけるようになってきた。

・細かい手指の操作が可能になってきたために、手元の操作もうまくいくことが

多くなり、いらいらが激減した。

・自分に自信ができていたので周りの評価を気にして落ち込む姿が少なくなった。

・背筋のほうが強い印象であったが、徐々に腹筋を使って立ったり、座ったりする

ことが可能になってきた。 このことが集中して取り組むことにもつながってきていると

思われる。

 

③自閉症スペクトラム 女子 小学2年生

取り組みを始めて3か月

(所見)

背筋が強く、出っ尻、腹筋が弱いため、あごが上がっている、

口呼吸、内股歩き、上肢支持や肩支持が弱い、

集中力が乏しく、興味が次々とうつる、

じっくりとした取り組みが苦手、

視機能が弱いため、読み飛ばしが多い、 自分に自信がない。

(取り組み方)

自信をもって取り組めるようになるまでは、個別で取り組む。

(取り組み始めてからの効果)

・肩支持・上肢支持ができつつあるため、始めたときよりも

歩き方がかわり始めている。あごを引いた姿勢で歩きつつある。

・あごがひけるようになってきているので、ものをしっかりと見ようとする

力が出てきたために読み飛ばしが少なくなってきている。

 

その他にも、色々な効果が見られますが一部を紹介させて頂きました。

人間の資本である身体をもう一度見直し、人間に必要な動きをトレーニング

することで人間本来の力を取り戻すように、基礎をしっかりと鍛えることは

必要な効果が得られるのだと思います。

 

南江先生は下記のような素晴らしい本も書かれています。「光の中へ」

南江先生本

 

 

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